矯正治療
歯科医療に携わっていくなかで、歯磨きを毎日しているのに虫歯や、歯周病で苦しんでいる患者さまをたくさん見てきました。歯磨きの仕方(歯ブラシの使い方)が原因の方もいらっしゃいますが、中には歯並びが悪いため歯磨きがしづらいことが原因の方も多くいらっしゃいます。
矯正治療は歯の審美性を高め、笑顔に自信を持てるようになることが目的です。しかしそれだけでなく10年後、20年後も自分の歯で笑い、噛むことができるようにいられることも矯正治療の大切な役割です。また、今後の高齢化に伴ってますますニーズが増えていくと予想されるインプラント治療も歯並びが良くないと治療ができない場合が多々あります。審美的な面から食生活の面まで一生関わっていくのが歯並びで、当院では最先端の矯正治療を行っております。
最先端の矯正治療
当院では矯正治療として2つの治療を行っています。
従来の矯正
従来の矯正とは金属のブラケット(歯に付ける器具)にワイヤーを付けてガチガチに縛りあげる治療でした。そのため矯正というと一般的なイメージが、
- 痛い
- 審美性に優れない(見た目が良くない)
- 矯正治療のため抜歯が必要(歯を抜かなければならない)
などとネガティブなイメージが多いものでした。
アメリカから始まり現在日本でも増えてきた痛くない矯正
Q,そもそもなんで歯は動くの?
A、歯は歯茎の中にある歯根膜と呼ばれる繊維によって支えられています。歯根膜の中には骨を作る細胞(骨芽細胞)と骨を壊す細胞(破骨細胞)がいて常に骨を作り直しています。
そこで矯正器具で力を加え続けると、歯の動かしたい方向の骨を破骨細胞が吸収し、逆に反対側では骨芽細胞が出現し骨を添加します。これが歯の動く理由であることが現代の研究から明らかになりました。
そこで従来の最先端の矯正は強い力で締め付けすぎるのではなく、『歯根膜が傷つかない程度の力で、歯根膜内の骨芽細胞と破骨細胞が活発に動ける状態』を目指して発達したのです。
インビザラインシステム
痛くない矯正で、ブラケット(歯に付けるもの)やワイヤーを使用しない全く新しい矯正器具です。
※抜歯が必要な症例などでは出来ないことがあります。
マウスピース矯正の最大の特徴は、ブラケットやワイヤーを使わず厚さ0.5〜0.8mmの透明なマウスピースを付けるだけです。
そのため若い女性の方や接客業の方から非常に人気があります。
痛みの少ないマウスピース
マウスピース矯正は、最初に目標とする歯列の形を3D的にシュミレーションし、マウスピースを作ります。1つのマウスピースでは矯正したい歯を0.25mmしか動かしません。そして2週間ほどで次のマウスピースに変えるという形をとります。このように少しずつ歯を動かしますのでマウスピース矯正の痛みはかなりわずかなものとなります。
今までにない審美性と機能性
マウスピースは0.5mm〜0.8mmの非常に薄くて透明なものであるため、矯正治療史上ない審美性を誇っています。また大切なスピーチのときなどは自身で取り外すこともできるため機能性も高いです。
使用方法
毎日食事のときと歯磨きのとき以外はマウスピースをはめたまま生活してください。1日17時間以上の装着が目安となります。食事の際は外すことができるので固いものや色素の濃いものでもなんでもお召し上がりになられます。また歯磨きの際は外すことができるので今まで通りに歯磨きできます。
矯正治療でおこりうること
デイモンシステム
デイモンシステムとは、1990年代半ばにアメリカのデュイット・デイモン博士が開発した従来の矯正概念とは全く異なる新しい矯正治療です。その特徴とは
- 痛みの軽減
- 従来の矯正器具より目立たない。
- 矯正期間、通院数の短縮
- 抜歯のリスクの軽減
等です。
期間が短く痛くない
従来の矯正では歯は強い力で引っ張って動かそうとするものでした。その常識を覆したのがデイモンシステムです。
デイモンシステムのコンセプトはLow Force Low Friction(少ない力と少ない摩擦)です。骨は強い力を受けると破骨細胞が出現しなくなり歯の移動が停止します。むしろ矯正の少ない力をかけることで歯は速やかに動きます。そのためこのシステムでは治療期間が短くなるだけでなく(例:2年かかる全顎矯正なら1年半程で矯正器具がとれる)、歯にかかる力が弱いためもちろん痛みも軽減されます。
よりよい審美性
また従来の金属ブラケットと違い、白いブラケットで着色しにくいため目立ちにくく審美性にも優れています。
抜歯のリスクの軽減
症例により異なりますが、矯正治療ではよく行われる抜歯がデイモンシステムによって回避されるケースが多々あります。
矯正治療をするにあたって
当院では2つの矯正治療を扱っておりますが、それぞれのシステムに特徴・注意があります。
インビザラインシステム
歯磨き時には取り外せるため矯正前と虫歯になるリスクは変わりませんが、自身で取り外しができるため毎日つけていないと治療期間が伸びることになります。
また抜歯が必要な症例などでは、適応ではない場合があります。
デイモンシステム
従来の矯正装置よりはブラケットが小さくなったため口の中のお掃除はしやすくなりましたが、矯正前よりしっかりと歯磨きをする必要があります。